生活を重視する思想 5
一朝一夕で実現できるものではないですが、家庭生活をないがしろにして滅私奉公する日本のサラリーマンの生活には、一考の余地があることは事実でしょう。
今日のような「職場から墓場」式の人生では、仕事をリタイアしたらもぬけの殻で、定年後、何をしたらいいかわからないというのでは、あまりにもさびしいのではないでしょうか。
西ドイツでは、定年退職する人がいると、そのお祝いをします。
ドイチェ・バンクでの研修中のある日、夕方になると職場をかたづけて、花を並べたリシャンペンを持ってきたりと、まるでパーティーの準備なので、何事かとたずねてみたら、何とかさんが今日で定年退職するので、そのお祝いをするといいます。
その席で、主人公が
「これからは自分の好き勝手なことをやるんだ。みんなお祝いしてくれよ」
・・・というと、ワッーというわけでみんなで飲み合うのです。
そして、みんなに送られて、主人公は意気ようようとして職場を出ていきます。
日本では、「あなたも定年ですか」という具合で、どうしても悲壮観が漂いがちですが、それに比べて何ともすがすがしいではないでしょうか。