生活を重視する思想 2
たとえば企業では、工場が第一で、本社はバラックでもいい、ましてや従業員の住宅は自分で考えろ、といったようなことが、日本ではまかり通ってきたことが両国の違いを象徴しています。
視点をかえると、国民の生活を重視する西ドイツの政策は、人びとの生活気質によっても規定されているように思われます。
はじめてドイツに行って驚いたのは、みんなが家庭生活を非常に大切にするということです。
日本は亭主はいったん家を出たら、いつ家に帰ってくるかわからないというわけですが、西ドイツでは、夕方には必ず家に帰ってくるし、会社が休みの日には家族といっしょに過ごすといったような生活がごく普通になっていました。
このへんは、今でも大筋ではあまり変化がないようです。
妻や子供を放っておいてゴルフに行く・・・
しかも、これがプライベートなものならまだしも、仕事でやっている。
月曜から金曜までは会社で、土日は場所を移して仕事がらみのゴルフという生活は、西ドイツではありえないでしょう。
西ドイツの人びとにとって、遊びは、あくまでも会社とは完壁に離れたところにあるのです。
仕事以外の自分の時間や休暇というものも、彼らは非常に大事に考えています。
これもすでに30年前に一般的になっていたことですが、大げさにいうと、休暇が終わった時に次の休暇のプランを練りはじめるといった調子です。